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2016年6月29日水曜日

九頭竜川・中流域のサクラマスとニゴイ

サクラマス
学名:Oncorhynchus masou masou
英名:Masu trout

ニゴイ
学名:Hemibarbus barbus
英名:Steed barbell

河口から河川に侵入したサクラマスは約4ケ月かけて、上流の産卵場所を目指す。上流の渓流域に入ると透明度の関係で、その姿を水中で見られる機会も増えるが、中流〜下流域では、よほど透明度の良い河川でなければ、その姿を水中で観察する機会はない。梅雨に入る前の水量の少ない時期のこと。堰堤の下のタマリで川の流れよりも、伏流水の方が多い状況が生まれ、一時、透明度がかなり良くなることがある。そんな場所で遭遇したニゴイの群れの中に、数尾のサクラマスが混じっていた。海から遡上した時の銀白色の姿ではなく、うっすらと婚姻色が出始めている。ビデオに映っているのは、比較的大型の雄で、推定全長70cm。河川中央の魚道に戻って遡上を続けるには、次の雨での増水を待つしかない様だ。

大型のイザリウオが動く

学名:Antennarius commersoni
英名:Giant anglerfish

相模湾以南の西部太平洋〜インド洋、東太平洋の熱帯域、ハワイに分布する。オオモンカエルアンコウはイザリウオの仲間では比較的大型になる種類で、体長30cmに達する。斑紋や体色は変異に富む。近くにいるシラコダイ(チョウチョウウオの仲間)と比べるとその大きさが分かると思う。

岩のへこみに張り付いていると、周囲の色に紛れて、その姿形がはっきりしないがこうして動いてくれると、やっと全体像がはっきりする。この大きな体でエスカ(ハタキ状の疑似餌)を振って獲物をおびき寄せ、勢い良く飲み込む瞬間を見てみたいものだ。

取材協力:柏島 SeaZoo

アオリイカの産卵と雄の闘争

学名:Sepioteuthis lessoniana
英名:Bigfin ReefSquid

4月末頃、人工的に設置した産卵床にアオリイカが産卵に集まり始めたと言う情報を聞いて、高知県の柏島へ出かけて見た。5月の中旬が最盛期の予定と言うことだったが、もう既に数匹の群れが集まって来ていた。

雌は雄を誘う様に並んで、足の方向を産卵床に向けて接近するが、産卵を始めようとしたその時、途中で険しい目玉をした別の雄が、妨害に入り、足をからめる様にして取っ組み合いを始めた。雌の数より雄が多い場合はこんな感じになることも多いのかも知れない。イカの目玉も人間と同じ様に怒りを表現できるのが分かったのは新発見だった。

取材協力:柏島 SeaZoo