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2015年3月4日水曜日

お箸でつつく様に餌を探すタシギ

学名:Gallinago
英名:Common snipe

チドリ目シギ科の野鳥で、オオジシギに酷似する。シギの仲間にしてはズングリムックリ形だが、真っ直ぐで長い嘴が魅力的だ。飛んでいる時は羽も長いので、アジサシ程ではないが、スマートな印象である。

雪の多いシーズンには、餌を探す水田の広い範囲が雪に覆われるが、湧水が流れ込む水田では、凍らない場所も残るので、そうしたスポットに集まって群れていた所を撮影した。活動は早朝や夕暮れ時から夜間が活発な上に、羽の色が保護色なので、通常はなかなか見つけられない。長い嘴を泥の中や稲株の根元等に繰り返し差込み餌を探す。セイタカシギの様に嘴を開いたまま、横に振ることはせず、もっぱらピストン運動をする。嘴には感覚器官があるので、泥の中の生き物を探知する能力があるらしい。嘴がとても長いので、羽繕いの場合、首の周辺などはどうするのかと興味があったが、脚を使って掻いたり、嘴の先端ではなく、横の部分でこすったりしていた。飛び立つ時には「ジュエツ」と一声ダミ声で鳴く。

ご馳走を食ると目玉が笑うハシブトガラス

学名:Corvus macrorhynchos
英名:Jungle Crow

ハシブトガラスはスズメやツバメ同様に、人間生活に溶け込んで暮らしている種類であるが、野鳥の一種でもあるので、可愛い野鳥たちの図艦にも堂々と登場する。一方、クチバシの細いハシボソガラスはやや山間部に適応しており、大都会には少ない。里地里山の田舎では両種が共存しており、近年、数も多過ぎるので、巣の中の卵を取り除く等して、少しでも駆除して欲しいと願う程である。

田舎では年が明ける頃になっても、ぎっしりと実が付いた柿ノ木があちこちに残っている。近年は種無しの柿が主流で、種有りの小さな柿は売り物にならない為、放置されているのだ。昔から心ある人は、柿の実を取る時に、低い方は近所の子供達の為に取らないでおき、高枝の柿は野鳥の為に残しておいたと伝え聞いている。

今回、やって来たハシブトガラスはこの先端部の実を食べている訳だが、カラスが来ると、殆どの小鳥は恐れて逃げてしまうので、全く迷惑な話である。ヤケクソモードで、このカラスを撮り続けていた時、面白いことに気が付いた。何と熟した美味しい柿を食べながら、カラスが笑っているではないか。ヤマセミやカワセミには瞬膜と言う瞼があることは知っていたが、カラスにも白い瞼があってまばたきをすれば良く目立つ。頬までゆるんでいるかどうかまでは定かでないが、嬉しくて笑っている様に撮れたのが、この日唯一の収穫だった。

ほっぺに餌をためるのが特技のエゾシマリス

学名:Tamias sibiricus lineatus
英名:Chipmurk

北方領土や北海道内に生息する小型種で、体重も100グラム前後、背中には5本の縞々がある。エゾリスより高地にも生息する種類で、エゾリスは冬眠しないが、エゾシマリスは冬眠する。

秋の紅葉の頃には、冬眠する為の食料を巣に運び込み貯食する習性があって、野鳥の餌台附近にも出没し、頬袋が大きく膨らむ程、餌をほおばっている姿が見られる。雑食性で昆虫でも何でも食べるが、蓄えるには木の実等が便利に違いない。主食はドングリの様で、あちこちに運んで土の中に埋めて隠すので、森林の再生にも貢献している様だ。夜行性ではないらしく、昼間でも普通に見られる。

人間を恐れないので、かなり近寄って観察出来るが、犬を連れた散歩者には敏感で、犬の声を聞いたとたん、きびすを返して遁走する。又。猛禽類を警戒しているのか、上空が広く開けている場所よりは、広葉樹の枝が空を隠している様な環境を好む様だ。

北海道内なら山沿いの公園でも出会える。雪解けの頃には、冬眠からさめた雌を追いかけて、地上はもとより、枝の上も走りまわって求愛行動したり、雄同士が闘争する様子が見られる。