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2016年1月15日金曜日

スミツキカノコとニジエビス

スミツキカノコ 学名:Sargocentron melanospilos 英名:Homed squirrelfish
ニジエビス 学名:Sargocentron diadema 英名:Crown squirrelfish

亜熱帯と温帯域の魚介類が共生する柏島では、小笠原諸島や南西諸島に多いイットウダイの仲間のスミツキカノコやニジエビス等も普通に見られる。スミツキカノコの場合は分布が土佐湾以南とされている図鑑が多いが、紀伊半島でも見られる。体色は赤味のある黄金色で背びれ、臀びれ、尾柄部の中央に黒色班点があり、胸びれの基部にも黒色点がある。肉食性の魚で、食用にも利用される。

ニジエビスの分布は、奄美大島以南とされているので(新発見ではないと思うが)北限より北の柏島で生息を確認したことになる。こちらは、同じ肉食性だが、余り旨くないのか、普通食用にされない。テリエビスに似るが、ニジエビスの方がより南方系の魚だ。

赤い格子のクダゴンベ

学名:Oxycirrhites typus
英名: Long nose hawkfish

相模湾以南、西部太平洋〜インド洋、紅海、カリフォルニアに生息する。白地に赤い縦帯と横縞の格子模様がある美しいゴンベで、ダイバーに人気がある。伊豆半島あたりが北限かと思われるが、これは高知県柏島で、大きな扇状のヤギに住んでいるペアと思われる2匹。吻が尖っていてスポイト状(管状)をしているので、この名がある。シャイだが物見高い性格なのか、撮影を始めると一旦ヤギの裏側に隠れたりするが、しばらくすると又戻って来てモデルになってくれる。

筆者がこれまでで最もクダゴンベの生息密度が高いと思ったのはフィージーのベンガ・ラグーンで、あちこちのイソバナやヤギに付いているのが観察された。伊豆半島ではやや深い場所のソフトコラル等に棲みついていることが多い。

青紫の唇をしたシテンヤッコ

学名:Apolemichthys trimaculatus
英名:Threespotted angelfish

南日本〜西部太平洋、インド洋に生息する中型のヤッコで普通種。黄色い体色は海中で良く目立つ。頭頂部には黒い小斑点があるが、この黒点は正面から見ると2個に分かれており、鰓蓋の上部にも薄い暗色の点があるので、四点奴の和名が付いたと思われるが、つながった黒点として見れば、英名の様に3点ヤッコとなる。

幼魚は背びれの軟条部に黒色の斑点があり、イッテンチョウチョウウオのインド洋型に似ている。厚めの唇は青紫色のリップクリームを塗った様に見える。

雑食性らしく、サンゴや岩礁の基部の海面やホヤ等、付着生物を食べる。伊豆半島では成魚を見たことはないが、柏島では何度か目撃した。ビデオの2匹はペアなのか親子なのかは定かでないが、つかず離れず行動を共にしていた。