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2016年2月13日土曜日

バラハタ - 何故か震えるシガテラ毒魚

学名:Variola louti
英名:Lunartailed rockfish

日本では相模湾以南。太平洋からインド洋、紅海に分布する。 体長は60cm以上になる。 英名の様に尾びれの後端が三日月型。オジロバラハタは尾びれの後端が白いので区別出来る。

バラハタは餌の関係で、海域によっては、シガテラ毒を持つ事があるので、なるべく食べない方が賢明だろう。沖縄では食用にする例もあるが、築地では流通禁止の魚になっている。シガテラ毒の中毒症状はドライアイスセンセイションと言う温度感覚の異常で、死亡例は少ないものの、長期にわたり筋肉痛や関節痛、頭痛、下痢、腹痛、不整脈などの神経症状に悩まされる。

ビデオの個体も神経症になっているかと思われる様にブルブルと震えたので、変に納得させられた。沖縄名:ナカジュウミーバイ、撮影した高知県ではハカマと呼ばれる。

タキゲンロクダイ - 温帯域にも出没する

学名: Coradian altivelis
英名:Tawnygirdled butterflyfish

相模湾以南。西部太平洋に生息する。小笠原諸島や琉球列島にも生息するが、低い水温にも強い種類で、伊豆半島等温帯域の岩礁域でも見られる。体長15cm程。 幼魚の場合、背びれに眼状班があるが、成魚では消失する。眼状班は外敵の眼を欺き、目玉への攻撃を回避する効果がある。餌は底生の小動物や付着藻類等を食べる。キスジゲンロクダイに似るが、本種の場合、過眼線が胸びれの方までは伸びておらず、途中で途切れることで、区別出来る。

 柏島で撮影したこのビデオの2匹は親子と思われるが、スリバチ型のサンゴを縄張りにしていた。以前、伊豆半島で出会った個体はなんと農協が使う様な黄色の四角いコンテナを住処にしていたので、なるべく人工の物体を画面に入れないで撮りたい僕としては困ってしまった思い出がある。

アジアコショウダイ- 若魚は小粋な体色

学名:Plectorhynchus picus
英名: Spotted sweetlips

西部太平洋からインド洋、紀伊半島以南に分布する。老成魚は50cm以上とやや大型になる種類。比較的味が良いので、食用にも利用される。 

幼魚は伊豆半島でも散見される。国内では小笠原諸島に多い。小笠原諸島で見るのは成魚の小群ばかりと言う印象で、幼魚や若魚を見た記憶が無いのが不思議でもある。成魚はコロダイに似るが、コロダイの斑紋が黄色いのに対し、アジアコショウダイの斑点は黒いので、区別出来る。幼魚は白黒の縞模様で、尾が長く、他の魚に捕食されない様にクネクネとヒラムシに擬態する様に泳ぐ。 若魚の頃は、よく目立つ模様だが、 成魚は地味な体色になる。

柏島で撮ったこの前半と後半は別の個体で、ウミカラマツの影で正面向きの個体は若魚と成魚の中間サイズだ。