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2012年4月13日金曜日

若アユのジャンプ

学名:Plecoglossus altivelis altivelis
英名:Ayu

春から初夏に堰堤や小滝でジャンプする若鮎は季節の風物詩である。海から遡上したアユの稚魚は川へ入ってぐんぐん大きくなり上流をめざす。滝や堰堤があっても果敢にジャンプを繰り返し遡上を続ける。

私はこれまで何度かこうした光景を見て来たが、パラパラとジャンプする程度の状態から、かなり忙しく矢継ぎ早に跳躍する光景まであった。今回若狭湾に流入する河川でのジャンプは後者であり、かなり激しく、忙しいものであった。

次々とジャンプするアユたちはまるで水車が勢いよく回っている様にさえ感じられた。一度のジャンプで堰堤越えが出来ればどんな大きな群でも数分の内に終了してしまうのだろうが、今回の様な急峻な堰堤で水量も少なければ99%のアユが堰を越えるのに失敗して又落ちて来てしまう。アユたちは失敗にめげず幾度も諦めずに挑戦する。だからジャンプするアユの数が減らないから、エンドレスの水車ジャンプが見られる。しかし、人間には残像現象と言うものがあって、連続したイメージで脳に伝わるから実際より多くジャンプしている様に見えるだけである。なぜなら、ビデオのひとコマひとコマをスチール写真にキャプチャーして見ると、多くてもせいぜい5〜6匹が宙に舞っている程度であるのが判る。

6月下旬のこの日は帽子をかぶらないと頭が暑くて立っていられない程の上天気だった為、熱中症になったのか、若鮎の生命力に感動したのか、ビデオカメラの電源を入れっぱなしにしたままバッグにしまい込み、バッテリーをオーバーヒートさせてしまって1個廃棄処分する羽目になった。

美味しそうなマアジ

学名:Trachurus japonicus
英名:Yellowfin horse mackerel

フライや塩焼きでお馴染みの惣菜魚である。尾から胸びれにかけてゼイゴ(ゼンゴ)と言う堅いトゲトゲしたウロコが並んでいる。

マアジは日本各地にいるが、幾つかの変異があることが知られている。沿岸や内湾に多い黄褐色のタイプがキアジ、外洋性で沖合いを回遊するタイプはクロアジ等と呼ばれるが、基本的には同種とされている。

写真は7月に佐渡で撮影した群で、産卵期には沿岸に近い岩礁域に集まるクロアジと思われる。大型のマアジがこの様に海藻地帯にいる状態は太平洋側では余り見られない光景である。マアジの若魚は小アジと呼ばれ、海藻地帯に群れていることが多い。

あるとき浅い岩場の海藻が繁茂している場所で、小アジの群が何かに追従している光景に出会った。海藻の繁みにはゴンズイの群がいて、岩の表面の付着藻類や甲殻類等を捕食しながら移動していたので、そこに隠れていたエビ等が慌てて逃げようと飛び出して来るからそれを狙って移動していたのだ。つまりおこぼれ頂戴の行動と判明した。又、マダイの幼魚に腰巾着を決め込んでいる小アジもいた。

マダイは岩の下部に隠れているエビ類等を狙って小石をひっくり返したり、活発に動くが、その時もおこぼれを狙っていた。オキアミや動物プランクトンが主食だが、小魚や小さなイカ、ゴカイ類等も好んで食べるので、肉質も良くて美味しいのかも知れない。

取材協力:佐渡ダイビングセンター