学名:Plecoglossus altivelis altivelis
英名:Ayu
春から初夏に堰堤や小滝でジャンプする若鮎は季節の風物詩である。海から遡上したアユの稚魚は川へ入ってぐんぐん大きくなり上流をめざす。滝や堰堤があっても果敢にジャンプを繰り返し遡上を続ける。
私はこれまで何度かこうした光景を見て来たが、パラパラとジャンプする程度の状態から、かなり忙しく矢継ぎ早に跳躍する光景まであった。今回若狭湾に流入する河川でのジャンプは後者であり、かなり激しく、忙しいものであった。
次々とジャンプするアユたちはまるで水車が勢いよく回っている様にさえ感じられた。一度のジャンプで堰堤越えが出来ればどんな大きな群でも数分の内に終了してしまうのだろうが、今回の様な急峻な堰堤で水量も少なければ99%のアユが堰を越えるのに失敗して又落ちて来てしまう。アユたちは失敗にめげず幾度も諦めずに挑戦する。だからジャンプするアユの数が減らないから、エンドレスの水車ジャンプが見られる。しかし、人間には残像現象と言うものがあって、連続したイメージで脳に伝わるから実際より多くジャンプしている様に見えるだけである。なぜなら、ビデオのひとコマひとコマをスチール写真にキャプチャーして見ると、多くてもせいぜい5〜6匹が宙に舞っている程度であるのが判る。
6月下旬のこの日は帽子をかぶらないと頭が暑くて立っていられない程の上天気だった為、熱中症になったのか、若鮎の生命力に感動したのか、ビデオカメラの電源を入れっぱなしにしたままバッグにしまい込み、バッテリーをオーバーヒートさせてしまって1個廃棄処分する羽目になった。