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2015年11月25日水曜日

アオブダイ・大型の雄

学名:Scarus ovifrons
英名:Blue humphead parrotfish

長年魚類の撮影をしているが、魚たちの中には警戒心の強い種類もいて、なかなか接近して撮らせて貰えない種類も多い。温帯域に生息する大型のアオブダイもその一種で、岩の間で透明な寝袋につつまれて眠っている姿の写真しか撮れてなかったので、常にチャンスを狙っていた。南伊豆の神子元島で一度だけ近くに寄れたことがあったが、その時は潮も速く、もう残りのエアーがなくなっていて撮れなかったと言う苦い思い出がある。

最近、高知県の柏島まで遠征した折、ダイバーを見ても余り逃げない個体がいるのに気が付いて、嬉しくなった。ブダイの仲間は逃げる時、糞を煙幕の様に噴射しながら泳ぐので、その習性もビデオに撮ろうと、ジワリジワリと距離をつめて行きながら追尾した。雄も雌も一緒に現れたのだが、寄り添って行動していなかったので、前頭部が突き出た大きな雄に狙いを定めて迫って見た。強力な顎の力と鳥のくちばしの様な丈夫な歯でサンゴをかじり、付着藻類を食べながら移動している。バディも先回りしてこちらへ追い込む様に神対応してくれたので、最後には大接近し、何と僕の直ぐ横をすりぬける様にして去って行った。この雄の推定体長は最大級の80cm程。

アオブダイはスナギンチャクを食べてパリトキシンと言う毒素を蓄積するそうなので、通常は食用にされない。特に肝臓など内臓はフグより危険で死亡例もあるそうなので注意したい。

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