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2012年6月22日金曜日

カワシンジュガイとヤマメ

英名:Feather Pearl shellfish
学名:Marugaritifera laevis

カワシンジュガイは淡水に生息する二枚貝で、イシガイの仲間。その昔広く日本全国の河川に生息していましたが、近年、護岸工事等により、生息に適した環境が失われるにつれて、生息地や個体数が激減してしまい、現在は環境省の絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。又、山陰地方では地域指定の天然記念物になっている。

カワシンジュガイが生息出来る条件として、自然環境もさることながら、産卵期に雄貝の精子を取り込んだ雌貝は体内で受精し、幼生を放出しますが、その幼生(グロキジウム)はある期間、ヤマメ等の鰓に寄生しないと生きて行けないと言う、不思議な生態が知られています。つまり、ヤマメとは切っても切れない間柄と言う訳です。

水温が上がり始める初夏、幼生はヤマメの鰓を離れて底生生活に移り長い時間をかけて成長します。人間より寿命が長い貝で、200年程も生きると言われれています。私がこれまで水中撮影をして来た河川では数個の貝や空殻を見つけたりしたことはありましたが、生きている状態で、これだけ多数の群落が現存するとはそれまで知りませんでした。

撮影したのは、北海道某河川の上流部に位置する岸近くのワンドです。水深は1mと浅いですが、流れはかなり速いポイントで、通常の倍位のウェイトを付けていないと流されてしまいそうな状況です。

カワシンジュガイは別名:タチガイとも言われ、底から直立した状態で口を開いています。ワンドでは流れが巻き込んでいるので、本流の流れとは逆の方向に向かって口を開けていました。


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