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2012年6月9日土曜日

オシドリの交尾

英名:Mandarin Duck
学名:Aix galericulata

オシドリの雄はオレンジ色の銀杏羽が美しく嘴も赤いが、雌は嘴も灰黒色だし、灰褐色の地味な体色である。用心深い野鳥と言われているが、公園の池等では餌をあげると手の触れそうな距離にまで接近出来る。

繁殖期には大木の樹洞に営巣して子育てをするのも普通のカモ類にない習性だし、好物が藻類などではなくドングリと言うのも変わっている。「オシドリ夫婦」と言う言葉もある様に夫婦仲の良いカモ類として知られるが実際にはどうだろうか?オシドリの小群が生息する近所の山上湖で撮影しながら観察していた時、偶然に求愛行動から交尾までを目撃するチャンスがあった。

その時雄は雌の上に乗り交尾の体勢になったのだが、雄の重みで雌が水中に潜ってしまったのだった。雌は苦しかったに違いない。今年は雪解けが遅れたため、その湖へ行く林道が閉鎖されていたので、オシドリの繁殖行動を観察するのをあきらめていた。

しかし1ケ月程遅れて、数羽が田植えの終わったばかりの水田に姿を現した。しばらく観察していると、あぜの上で昼寝をしていたペアが田んぼに下りて求愛行動を始めた。今度こそはとビデオを構えて待つと、雄はついに雌の上に乗った。浅い水田なので今回は雌の頭部まで水中に没することなく、交尾を始めたが、何と雄は自分が落っこちない様に雌の頭部の羽毛に噛み付いており、以外にも乱暴でやさしくない交尾だった。

オシドリの雄は雌が樹洞で抱卵を始めると夫婦生活に区切りを付けて群に戻り、又別の雌を追いかけることもある。人間でさえ、おしどり夫婦と噂されていても実は喧嘩ばかりしている夫婦もいるし、浮気する夫も少なくないから仕方がないのかも知れない。

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