ページ

2013年8月21日水曜日

夜の湖底で出会ったウナギ

学名:Anguilla japonica
英名:Japanese eel

ウナギは夜行性なので、昼間岩の隙間や護岸の石垣の間に潜んでいて、探してもなかなか見つけることは難しい。ウナギは暗黒の深海で産卵する訳だし、暗闇でも行動出来る超能力をもっているのだから、夜間に俳諧するのは身を守るためとか言うよりも餌との関係が大きいと思われる。甲殻類も夜行性が多いし、小魚は睡眠中なので、寝込みを襲いやすいことがその理由と思われる。

その日は夕方まで、少し風があって湖の水面にはさざ波があった。多少の波でも水中撮影には好ましくないので、夕方の潜水を早々に切り上げ、車中で仮眠していた。夜中の1時過ぎになってふと眼をさますと、山上湖の上空にはまだ黒雲が残っているものの、湖面には微風もなく、ベタ凪の状態になっていた。

ウナギに負けず夜鷹の習性が抜けきらない私は次第に目が冴えて来て、体調も絶好調である。今回もアシスタントのいない取材だが、家で待つ娘のためにも必ず生きて戻ってこなくてはならない。しかも手ぶらではなく、目的の映像を撮って帰らなくてはならないと改めて気を引き締める。

潜水器材とビデオカメラ関係を入念に再チェックし、シトシトピッチャンと静かに水面下の人となる。今回は水中ライトNEMOの他にHDカメラには 3500ルーメンのAQUAVOLT ・LEDライトを2ケセットしたので、透明度のあがった水中はこの上なく明るく小気味良い。次々とご覧の様に、大きなウナギが出没し、モデルになってくれた。20年前に良く通ったポイントであるが、今も往時のままの生態系が残っていてタイムスリップした様な一夜だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿