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2014年11月7日金曜日

オニオコゼとハオコゼ・毒棘にご用心

学名:Inimicus japonicus
英名:Devil stinger

魚とは思えないグロテスクな顔をしていて、周囲の環境に溶け込んでいるオニオコゼはじっくり見ないと判らない程のカムフラージュの天才である。

色彩には変異がある。泳ぎ方は独特で、胸鰭を波打たせる様にして移動する。真夏にはグローブやブーツを使わずに潜るダイバーもいるが、露出している肌を刺されることもあるので、うっかり海底には降りない方が賢明だ。特に海藻の生い茂った岩場は要注意である。着底したい時は、見晴らしの良い砂場に限る。背びれや胸びれの棘の毒はかなり強力で命にかかわる危険もある。

以前著書の魚図艦「海の魚」の取材中に、オニオコゼ同士の激しい争いを目撃したことがある。毒棘と言う武器を持った同士が戦うと、どうなるのかとしばらく見入っていた。面白い写真は撮れたが、相討ちかと思いきや、刺し殺しあうまでにはならなかった。

これと似たハオコゼ(ビデオの最後尾)は小型種ながら、同じように毒棘を持つので、手を出さないことだ。こちらはダイバーより釣人が被害にあうケースが多い。海藻の茂みにいると保護色なので、気が付かないので、まだ見たことがなければ、一度はじっくり探して、その姿を憶えておくと良いだろう。長年、ダイビングのインストラクターをやっていたので、「危険な生物」は意識して撮影し、多くのダイバーに紹介することにしている。

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