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2012年8月30日木曜日

キセキレイの子育て

英名:Grey Wagtail
学名:Motacilla cinerea

キセキレイはセキレイ科の美しい小鳥で、山沿いの清流の周辺に生息している。水辺の似合う野鳥なのだが、集落の周辺で営巣するペアも多く、時には車のボンネットの中にまで巣を作ってしまう。

今回は近くの山沿いに住む林業の方からの情報で、「家の物置にキセキレイが巣を作って、雛がいるけど、撮りますか?」とのお誘いがあった。お邪魔して巣を覗いて見ると、可愛い雛が5羽もいる。しかしその場所は高さ1メートル程の道具類が散乱している台の上で、巣は周囲に作業用の足袋を入れた紙箱やら、木材の端切れ等がある裏側なので、そのままでは到底撮影にならない。

相談の結果、時間をかけて1個1個取り除けばよかろうと言うことになり、スタジオ作りから開始。その物置は入口の扉はなく、カラスに雛が襲われないかと尋ねると、カラスは利口だから、しかられるのを恐れて建物の中にまでは入ってこないとのこと。親鳥は物置の前の地面におりた後、トコトコと歩いて侵入してくる。大きな障害物を動かした後は、さすがに警戒して、餌を咥えたまま何度も行ったり来たりしてなかなか巣に戻らないので心配したが、雛に餌を与えたい本能が強いらしく、間もなく給餌を再開したので、3メートル程離れた場所にリモコン操作の出来るビデオ・カメラ(テレコン使用)を設置し、何とか餌を与えている情況が撮影出来る様にした。

喉の黒い方が雄で雌より餌を運ぶ回数はやや少ない。餌を運んで来た帰りには雛の糞をくわえて運び出すのには感心する。この日から4日後が巣立ちの日となったが、巣立ちしたばかりなのに親の後を追う様に飛び去り、小屋の裏を流れる渓流の岩の上で親に餌をねだっていたので安堵した。雛は数日で独立し、親から離れるとのことだが、巣立って間もない赤ちゃんが独立して生きて行ける事実には、不思議な生命力さえ感じる。


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