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2012年8月30日木曜日

ヤマメ・降海型

英名:Seema
学名:Oncorhynchus masou masou

ヤマメの降海型とはすなわちサクラマスの若魚である。毎年海からサクラマスが遡上して来る頃、入れ替わる様に海へと出てゆく銀白色のヤマメがいる。背びれや尾びれの先が黒いので、河川残留型のヤマメとは容易に区別出来る。

春の雪解けの時期と重なり、河川が増水して濁る(雪代の)時期なので、東北や北海道の日本海側の河川でその姿を水中撮影するのは容易ではない。雪解けの早い太平洋側の河川の方が早い時期に川の透明度が回復するので、見られる可能性が高い。河川によっては、稚魚を放流しているので、群れで降海することもある。釣り上げれば確認出来るが、大切な資源であるから、当然この時期の釣りは禁止であり、保護されている。

雌の大部分と一部の雄が降海するが、北方程ヤマメの降海する確立が高く、陸封型は少なくなる。雄の一部は河川に残り、そのまま成熟するので、海から帰った大きな雌のサクラマスにまつわりつき、最終的には産卵行動にも参加する例も散見される。

北陸の九頭竜川では例外的に遡上したサクラマスの釣りが認められているので、多くの太公望が全国から集まるが清流とは言うものの大河であるため下流部では水中で観察出来るまでの透明度は望めない。

その生涯を海と川を往復して過ごすサクラマスが命脈を保つためには、川がダムでしきられていないことや、魚の遡上出来る魚道のある堰堤が整備されている等の条件が不可欠である。未来の子供たちのためにも上流に豊かな広葉樹の森林がある様な、自然度の高い河川環境を守ってやらなくてはならない。

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