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2012年11月8日木曜日

ゆかいなミユビシギ

英名:Sanderling
学名:Calidris alba

秋、多くの野鳥が南へ帰る頃、波が寄せては返す渚で忙しそうに餌をついばむミユビシギの群れを見つけた。

体は小さいが歩くスピードは寄せ波より早い。砂中の貝類や甲殻類は当然ながら波をかぶる場所の方が多いので、波が引くたびにギリギリのラインまで侵入する。立派な羽があるのだから飛べばもっと素早く移動出来ると思うのだが、波のスピードの方が早くて間に合わない場合以外は早足で後退する。

多くの個体の後ろ指がないのが和名の由来だが、足の指がチドリの仲間の様に退化して1本足りないのでハイヒールを履いてかけっこしている感じなのになぜこんなに早く走れるのか不思議である。

この群れは純群ではなく、ハマシギも混じっていて、同じような行動をしていた。ミユビシギはハマシギより嘴が短く、喉や腹部が白い。(冬羽なので全体にハマシギよりも白っぽい)割合人を恐れないで、浜辺を散歩する人が4〜5メートルの近距離を通っても逃げない。しかし犬の吠え声とか何かに驚いて一斉に飛び立つこともあって、磯波の真上を数百羽が群れて飛ぶ姿が見られることもある。

この情景が浮世絵的で又素晴らしい。旅鳥として飛来するが、中部日本以南では越冬する群れがあり、石川県では雪の降る真冬でも見られるとのこと。吹雪の海岸で寒そうにかたまっているシギの群れを想像しながら帰途についた。


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