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2014年9月11日木曜日

サワガニのお散歩



学名:Geothelphusa dehaani
英名:Japanese Freshwater Crab

サワガニは日本固有種で、漢字名を「沢蟹」と書き、山沿いの渓流やきれいな小川に棲むイメージがある。しかし、大きな河川でも清流域なら多数生息している。

九頭竜川の支流足羽川(あすわがわ)でカジカ等を撮っていた時のこと、1匹のサワガニが川底をのんびり散歩しているのが目に入り、しばらく観察していた。川底にはヌマチチブが多い場所だった。その幼魚の場合はサワガニにじゃれついて遊んでいる様に見受けられたのだが、やがて大きい個体が現れると状況が一変した。

大型のヌマチチブはどうやら、餌と思ってサワガニに襲いかかっているらしいのだ。モクズガニと同様に、肺臓ジストマの中間宿主になっているので、生では食べない種類なのだが、ヌマチチブはおかまいなしだ。硬い甲羅のお陰で結局捕食されてしまうことはなかったが、サワガニも必死で大きな石の下に逃げ込んだりして身を守っていた。甲殻類は脱皮しながら成長するので、脱皮直後の殻の柔らかい期間あれば、防御する術がなかったのではないかと思われる。

サワガニは丸ごと唐揚げにしたり佃煮にして利用されるので、食べた経験がある方もおられると思う。日本各地の河川でかつては清流の象徴であったサワガニやカジカが激減しつつあるそうだが、寂しい限りだ。

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