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2012年5月31日木曜日

ヤマセミの巣穴掘り

学名:Ceryle lugubris
英名:Greater Pied Kingfisher

30年程前、取材の帰りに中国地方の山間部を小雪の降る晩秋に山越えする時、遠くのつり橋のロープにとまっていたのを目撃したのが、私がヤマセミを見た最初だったと記憶している。

北海道から九州にかけて繁殖する留鳥のヤマセミは魚類を主食として生活している関係上、山上湖や山間部の渓流に住み、余り都市化が進んだ場所では普通見られない。

札幌に移住してから、なんと市内の山沿いの小川にもヤマセミを発見し、天気の良い日には毎日の様にそこへ出かけてブラインドを張って観察と撮影をしていた。じっと隠れていると幻の野鳥が直ぐ目の前の小枝にとまり、エゾウグイやスナヤツメを捕食したり、水浴びをしたり、枝の上で食後のうたた寝をしたりするので感激だった。

色彩的には白黒の斑で地味な鳥だが、くちばしが長大で、大きな冠羽があり、雄の胸部は薄いオレンジ色、雌は翼の裏がオレンジ色をおびている。営巣する場所は垂直に切り立った崖で天敵が巣穴に入れない様な位置に奥行が1メートルもある横穴を掘り巣穴とする。

穴堀りはそれ程得意ではないので、3週間もかかる場合が多いが、前の年に使った古巣をお掃除して再利用することも多い。巣穴へ飛び込む場合はやや離れた樹木などから一気に飛び込む場合も多いが、近くにとまりやすい枝や岩等があれば、一旦そこにとまってから侵入することもある。

キャラ、キャラツと独特な声で鳴く。留鳥なので、冬場は雪に閉ざされた様な細い渓流ではなく、餌の捕れる本流の岸辺にある樹木の枝にとまっているのを見かけることが多い。




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