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2012年5月31日木曜日

ベニザケ婚姻色の群

学名:Salmo(Oncorhynchus)nerka neruka
英名:Sockeye salmon

ベニザケとヒメマスは同じ種類の魚です。陸封されたヒメマスの卵からふ化した幼魚を海に続く河川に放流するとやがて降海し、ベニザケに成長して再び放流された河川に回帰します。

さけますセンターでは河口近くで採取した銀白色のベニザケ(元はヒメマス卵)を養殖池で蓄養し、成熟するまで待って、採卵しています。ごく一部の河川では、秋に婚姻色の群が見られる様になりましたが、まだ数ケ所です。

ビデオは湧水を利用した池で蓄養されていた採卵真近かな婚姻色の群。雄は猛禽類の様に鼻が曲がり、背っぱりの姿になります。アラスカやカナダでは自然の状態でこうした群が見られますが、我国ではベニザケの自然遡上が見られる河川は北方領土である千島列島・択捉島の得茂別(ウルモベツ)湖以外にはないので、北海道の一部の河川でベニザケを定着させる試みが続けられています。

ベニザケの魚体はシロザケに比べて小ぶりである為肉量はやや少ないものの、紅い身肉で見た目も美しく、他のサケ類に比べて美味なので食用として人気があります。又、ギンザケやニジマスの様に養殖物が出回ることはなく、海の自然な餌で成長した魚なので、より安心して食べることが出来ます。

何時の日か、北海道の河川でも、この真紅の姿が大挙して遡上する姿が見られる様になるかも知れません。又1日も早く不法に占拠されている北方領土を返還して欲しいと願うばかりです。

取材協力:さけますセンター千歳事業所

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