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2013年12月8日日曜日

味真野のタマシギ

学名:Rostratula benghalensis
英名:Painted Snipe

越前市の味真野周辺は稲作地帯で、水田が多い。水田の一部は地主か農家の都合で休耕田として使用されないまま放置される年があるので、こうした休耕田の内、水があり沼や湿地状態になっている様な場所に初夏の頃、タマシギが住み着いて営巣する。

タマシギは本州中部以南に生息する留鳥だが、全国的にも少なく、なかなか見ることが出来ない鳥の様なので、地元の強みを生かして観察と撮影を続けた。タマシギは夜行性で、繁殖期には夕方、薄暗くなると雌が「コウツ・コウツ」と喉を膨らませる様にして鳴き始める。

鳥の仲間は、一夫多妻が多いが、タマシギは一妻多夫で、4〜10月の繁殖期には、メスが求愛ディスプレイをして、複数のオスと交尾し、何度か産卵する。又、普通の鳥類は雄の方が美しい場合が多いが、タマシギの雄は黄褐色か灰緑色模様の地味な体色である。

生息する水田のエリア内に最初から1尾の雌と複数の雄が一緒にすんでいる事もある。前年の稲株から伸びた若芽や雑草が茂った中にいるので、なかなか体全体が見られる様な状況は少ないが、トラクターのわだちが水たまりになっていて見通しがきく様な場所にカメラを構えていると、そこを横断したり、餌を探して歩いている姿を観察出来る。雄同士が争う様な場面では、羽を大きく広げて互いを激しく威嚇し合う。雛が大きくなると、画像の様に、雄が若鶏を引き連れて歩き、子育てをしている姿も観察出来る。

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